目次
池の構造、ろ過・循環・清掃のために
概要と全体像(池、沈殿槽、浄化槽、予備槽、清掃用排水口、底抜き水用排水溝)
今回は自作の池の構造について説明します。(少し長いですが詳しく知りたい私のような初心者の方向けにやや細かく書いております。ご容赦ください。)
池の構造の模式図を上に示します。
まず、池本体があります。(図中にて番号0で示しています。以下同様)
水の浄化のために沈殿槽を1つ(番号1)、浄化槽を2つ(番号2と番号3)、予備槽を1つ(番号4)設けています。観賞用の泉(番号5)を経由して小川となって池に戻ります。
池
池は深さ80cmで、水量0.87t(他の4つの小部屋を含めると1.15t)です。
水の流れは上から見て時計回りにしています。(まだメダカすら飼っていないのですが、、鯉は半時計回りが好きなので水を時計回りにすると好きな方向になりやすいと聞きましたためです。)
池の底周辺の水は次の沈殿槽に向かいます。底周辺の水を取り入れるのは池の中では汚れた水は底周辺に溜たまるためです。もし池の上周辺の水を取り入れると、底周辺の汚れた水はずっと底に残り続けて浄化できません。池の底はわずかに勾配(1cm/1m程度)をつけて汚れなどは排水口が近くに集まるようにしています。
沈殿槽
次の沈殿槽に入った水は上から見て回転して流れます。回転しているうちに汚れなどは沈み底に沈殿していきます。汚れがある程度除かれた上澄みの水は次の浄化槽へ向かいます。沈殿槽がないと次の浄化槽のフィルターの目詰まりが早くなります。
(これは細かいことですが(メモとして)、水は槽の入口から出口までやや上向きの回転にさせるとより水を浄化させる効果が得られると思っています。ただ私はエアレーションにより水を流す都合管の上端がなるべく上にある方がエアレーションの効果が高いためそれを優先して、入口から出口までは水平方向となっています。)
浄化槽
次の2つの浄化槽では、内部にフィルター(カキ殻など)を備えていてそこで水を物理的にろ過するのと生物的な分解により浄化します。浄化槽を2つ設けているのは生物ろ過に必要なバクテリアが清掃時に減りすぎないように部分的に清掃できるようにするためです。
浄化槽内の水の流れは下から上へ向かいます。これは水に含まれる汚れは水より重いため上に向かう過程で自然と(重力により)浄化させるためです。(これに加えてフィルターでも汚れを除去します。)これは、水中の汚れやフィルターから脱落した汚れをなるべく先に進めないようにする効果もあります。清掃時に上から水をかけて下に汚れを落とすときもそうですが、汚れを排出する方向と重力や清掃のための水の流れの方向を合わせたほうが効率がよいと考えています。仮に上から下へ向かって水を巡回させると、フィルターの汚れは水の流れと重力により下つまり流れる先に向かいます。きれいにしたはずの水が底にたまる汚れの中を通って次の槽に向かうことになってしまいます。
浄化された水は次の予備槽に向かいます。
予備槽
次の予備槽では浄化槽までで浄化された水をためて池に送り戻します。実際には予備槽と池の間に観賞用の泉(番号5)を設けていてそこに送り出します。
予備槽の必要性については、浄化槽内の水の流れが下から上に向かうことと予備槽からエアレーションで水を排出するために底付近から水を取り出す必要があるため設けています。つまり、ポンプで浄化槽の上付近から排出する場合は不要と思います。
泉
浄化された水を貯めて溢れた分が小川となって池に戻ります。
水の循環の動力
水の循環はエアレーションにより行っています。より大きな水流を望むときはポンプを使おうと思います。管の下の方からエアレーションを行うことにより空気の上昇とともに水をその方向へ動かしています。水流の速さは管の太さ、エアーの位置、エラーの量、エアー発出口の形、などにより変化するので流量が多くなるように調整しています。
オーバーフロー
池に水道水を足した際や雨水により水が増えた際は池に水が入り切らなくなり溢れることになります。この際、池の上周辺より下周辺、できれば一番汚れが溜まっている沈殿槽の下周辺の水を溢れさせることができれば効率がよいです。これを実現しているのが沈殿槽の中央のオーバーフロー管です。径の異なる2つの管で構成されていて外側の管の下の方に穴を開けて水を吸い込むようにしています。内側の管の上端の高さを超えた水が溢れて内側の管の内側に流れ落ちて排水されます。排水の際には沈殿槽の下部分の汚れを吸い込みながら溢れるため掃除が自動に行われることになります。
掃除用の排水口
掃除用の排水口(図中の茶色)を沈殿槽、浄化槽、予備槽に設けています。排水口に栓として挿してあるVU管を抜くとすごい勢いで水が排水溝へ流れ出ます。掃除の際は沈殿槽、浄化槽、予備槽にホースで水道の水をじゃぶじゃぶかけて洗い流すとすぐにきれいになります。他の方の池作りにて、横方向から見てU字型の配管を行う例をいくつか見ましたが小石などが溜まって詰まるのを防ぐためにU字型の配管は行っていません。
なお、池には設けていないのは不慮の事故で水が抜けて魚が干上がってしまうことを防ぐためです。池の水はある程度はつながっている沈殿槽などから抜けますがその後は安全のためポンプなどを用いて手動で抜くつくりにしています。
底水抜き用の排水口
底水抜き用の排水口(図中の緑色)を沈殿槽、浄化槽、予備槽に設けています。池を(飽きて)やめた後は土を入れて花壇にするつもりです。水が底にたまると花壇が沼のようになってしまうためそうならないようにしています。底水抜き用の排水口は水漏れがあると困るのでネジ式のキャップを固く締めて水を満たした際に水漏れがないのを確認しています。開閉はおそらく花壇にするときに1回なので、池本体にも設けています。泉の底抜きは省略して毛細管現象で水を排出することにしています。
私の場合は掃除用の排水口に常時水を流し続けたくなかったため(車庫周辺がじめじめするため)これらを設けましたが、掃除用の排水口と兼ねるのが可能と思います(ただし、池は掃除用の排水口と兼ねると上述の干上がり懸念を避けるためには兼ねられません)。
水位
図に床高さと最高水位を書いています。床高さは池の側壁の上端に飾り石厚さ(約3cm)を足したものです。最高水位は池の水の最高水位です。これは上述のオーバーフロー管の上端高さで決まります。オーバーフロー管の長さを調整すれば床高さまで上げることが可能です。
ただ、猫や小動物から池の生き物(魚)を守るためには床高さから20cmは下にしたほうがよいと読みました。私の場合は20cmも下げると池の水が相当少なくなるのでとりあえず5cmくらいにしています。(もし足りなかったら池の上の網や池の周囲の柵などで保護しようと思っています。)
池の水位の最低はこの池では決まってなくて蒸発などがあればだんだん低くなります。ただ、沈殿槽、浄化槽、予備槽の間を結ぶ管より低くなると水の循環ができなくなります。なので、これらの管は池の側壁の上端よりやや低めにしています。(あまり上の方だと少しの蒸発で水位が下がると循環できなくなってしまうため。)
あとがき
これらはいくつかの書籍やウェブを参考にして検討した結果です。最初は難しかったのですが図と絵にすることでだいぶ理解ができました。皆様の池作りの参考に慣れば幸いです。また、ここをこうした方がよいなどお気づきがありましたらコメントいただければ幸いです。
浄化槽は1つだけにして予備槽もポンプを用いてなくしたほうがシンプルで掃除や作りやすさは簡単だったかもと思っています。浄化槽についてはバクテリアは池や他の部分に残っているので気にしなくてもいいかもと思っています(未検証)。(小部屋が2つ増えると作るのもかなり大変になったと思いますためです。)